ゲシュタルト心理学とは「知覚というものは、単に対象の物事からなるここの感覚刺激によって形成されるものではありません。それらのここの刺激には、戻せない全体の枠組みによって大きく構成されるもの」とされています。 人間の精神を、部分や要素の集合としてとらえる、つまり、全体性や構造に重点を置いて捉える。
この全体性を持ったまとまりのある構造をゲシュタルト=形態という意味で、例えば「果物」と言われたときに真っ先に林檎を思い浮かべたとします。他にも果物はたくさんあるわけですが、果物=りんごというのはゲシュタルトの思考が働いているとされています。 ゲシュタルト心理学は、ドイツの「M. ヴェルトハイマー」「W. ケーラー」「K. コフカ」「K. レヴィン」らが中心的な人物となって、提唱された心理学です。
ゲシュタルト心理学の考え方は、その後、知覚心理学、社会心理学、認知心理学などに受け継がれていて、現代の心理学に大きな貢献をしています。

 

 

 

プレグナンツの法則

プレグナンツの法則とは近接の要因・類洞の要因・閉合の要因・連続の要因の4つの要因があり、視野に与えられた図形が、全体とし最も単純で最も規則的であり、安定した秩序のある形にまとまろうとする傾向についての視覚法則です。この法則をうまく利用したのがデザインです。身近なところでは文字そのものもこの法則で構成されています。    

 

 

 

ゲシュタルト療法

上記の考え方をベースに編み出されたのがゲシュタルト療法です。人は一つの総合的なまとまりで、心と体、感覚と認知、思考と感情などを別個のものとして分離してはならないという考えで「心身一如」であるとしています。ゲシュタルト療法の考え方はアドラー心理学との共通点も多く、アドラーが「個人(individual)が、in(=not) + L.dividuus(=devisible 分けられる) + al(の性質)=分割できない存在である」と提唱していたことに近いです。
またゲシュタルト心理学は「今ここ」心理学とも言われており、現在を起点にしています。アドラーも次のように述べています。

過去を悔やむのではなく、 未来を不安視するのでもなく、 今現在の「ここ」だけを見なさい。
もしも「いま、ここ」に 強烈なスポットライトを当てていたら、 過去も未来も見えなくなるだろう。
人生全体にうすらぼんやりとした光を当てているから、 過去や未来が見えてしまう、
いや見える気がしてしまう。
そのために、 過去・未来ではなく、「いま」の連続として人生を捉えないさい。
「いま、ここ」というかけがえのない刹那を 「ダンスするように生きる」ことができれば、
深刻になるようなことは何もない。
それに気づけたなら、人はいま、 この瞬間から幸せになることができるのだ。

  双方に全体論もあり、もしかしたら、ゲシュタルト心理学はアドラー心理学が大きく影響しているのかもしれませんね。  

 

 

 

エンプティ・チェア

エンプティ・チェアとは誰も座っていない椅子という意味です。エンプティ・チェアは過去吐き出せなかった経験を椅子を使って、対象をそこにイメージで座らせて「今ここ」で感情を吐き出しあげる療法です。対象と対話するように自分と対象の椅子を行き来しながらクライアントの口から対象の思いを吐き出させ、その言葉で気づきを得るというテクニックです。 chair

 

 

 

ボディ・ワーク

これは不調を感じている箇所に自分がなりきって、身体の言いたいことを聞くテクニックです。たとえば胃が痛いとします。カウンセラーがクライアントにイメージ誘導していき、胃になった自分がどのように感じ、どのようなことを言いたいのかを語ってもらうワークです。 クライアントの潜在意識の中に眠っている本来の理由をこのボディ・ワークで口に出し、それを認識することで解決していくテクニックです。  

 

 

 

「図」と「地」

ゲシュタルト療法において最もメジャーな考え方です。焦点があっているところが「図」、それ以外を「地」ととらえ、焦点の転換によりものごとを別のものへととらえる療法です。 例えば「図」となるものが、相手の欠点だとします。すると長所は「地」です。人はついつい他人の欠点に目がいってしまいがちです。それによりストレスがたまったりミスコミュニケーションが起こります。この状態から脱するために「図」から「地」への転換を促し、気づけなかった長所に焦点を当てさせるテクニックです。 gestalt

 

 

 

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